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tiny star


第二作[tiny star]
moumoonのtiny starが元で一文だけ歌詞をお借りしてます
これも若干絵本風味なようなそうでないような

      tiny star

高い高い雲の上の住人がいるということを皆さんは知らないでしょう
彼らは昼間はふかふかの雲のベッドで眠っています
夜になると夜空で輝くお星さまとなります

彼らは毎晩空から地上を見ています
ある者は海辺で愛を語らう男女を、ある者はせっせと食べ物を運ぶ蟻を。
それぞれがあらゆる生き物をじっと眺めています
なんのためにかというと、使命を果たすためです

星たちは大人になると流れ星となって、誰かの願いを叶える手伝いをします
何千年、何億年と生きた星たちがたった一人、またはたった一匹のために。
なぜたった一人、一匹なのかというと、流れ星となって流れ落ちたあとは二度と空へと上れないのです
願いを叶えるためにすべての力を使いきったあと、砂となって消えてしまうのを彼らは知っていました
だから、慎重に慎重に、心から願いを叶えたくなるような者を彼らはじっと待っています


「お星様、どうかお母さんを治してあげてください」


毎日空に一番近い高い山でお願い事をする女の子がいました
アリサという、まだ幼い可愛らしい少女でした

アリサを毎晩じっと見つめている星がいました
イルという、小さな子供の星です
彼は、アリサに恋をしてしまったのです

彼は同じ時期に生まれた仲間よりも一際小さく、よく「お前はきっと叶える願いも小さいんだろうな」とからかわれていました
彼はそれに対しいつも「僕は誰よりも大きな願いを叶えるんだぞ」と自信たっぷりに答えていました


「彼女の願いを叶えてあげたい」

ある時イルは友達のリンとランにそう零しました

「僕らはまだ生まれたばかりじゃないか。もっとじっくり見極めなきゃ。」

「そうさ。それに、僕たち子供は願いを叶える力もまだ小さいんだよ」


彼らにそう諭されてイルはうーんと唸りました
確かに、彼らは間違っていないけど自分の彼女の願いを叶えたい想いもまた強いのです

それからしばらくしたある日、アリサはいつもの場所に来ませんでした
彼女の母親の具合が急変したのです
彼女は家に医者を呼んで、母に付き添いました
診察をした医者はアリサに顔を向けると、悲しそうに首を振りました

もう長くはないでしょう。

アリサは家を飛び出しました。
走って走って、辿り着いたのはいつも願い事をする山の頂上でした


「どうして私には願うことしか出来ないんだろう」


彼女はわあわあと泣き喚きました

一部始終を見ていたイルは、いてもたってもいられなくなり飛び出します
周りにいた星たちの止める声も聞かずに、彼は走りました

僕はまだ小さいけれど。
馬鹿だって笑うやつもいるかもしれないけど。
だけど、だけど。
大好きな彼女が笑ってくれるならば。
彼女の涙を止められるならば。
それを出来る可能性を持っているのにじっとなんかしてられない、してちゃいけない。




―きみが泣くのならば、抱きしめにいかなきゃ。




母親の具合が少しずつだけれど回復に向かっているのを医者は奇跡だと述べました
アリサは「お星様の力だよ」だと笑いました

アリサはある日、いつもの場所に小さな花が咲いているのを見つけました
それは偶然なのか何なのか、イルが流れ落ちた場所でした
アリサはしばらくそれを眺めたあと、「ありがとう」と、花に向かって礼をしました
もしかしたら彼女は知っていたのかもしれません、遥か上空にある雲の上の住人達のことを。


こうしてひとつの小さな星は立派にその役目を果たしたのです

たった一瞬だったけれど、誰よりも小さかった星はどの星よりも美しく、強く輝いたのでした


----おしまい-------
歌詞をお借りしたのは「君が泣くのならば、抱き締めにいかなきゃ」ってとこです
何かすごく耳に残ってここばっか頭ん中で流れてるうちにこんな話が生まれました
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com(0) - 2008.10.08


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 author : ゆこ
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